大雪の中、意地で実験した甲斐あって、かすかにポジティブなバンドを得た。
昨日書いたウェスタンで3枚のメンブレンのうち1枚についてである。しかもポジコンとネガコンは完璧であった。これは今後、より明確なデータを出し、別の実験でも確認すればいけるということだ。やらねば。
面白いことにポジティブだったのは、昨日失敗したと書いた1枚のメンブレンだった。うまくいっているはずの残り2枚のメンブレンは、トランスファーに失敗していた。23V, 700MA, 45minという条件は強すぎて、小さい分子はメンブレンを通り抜け、なぜか大きい分子もメンブレンに到達していなかった。これらはマーカをみることで分かった。これらの失敗は、コラボのお手伝い実験であり、明日以降、タイミングをみてやりなおす。
この日の会でK先生と話していて思い出したことがある。
グラントをあてるためには、論文の数が必要ということだ。今、僕の論文を出すペースは、コラボで成り立っている。これまでもずっとそうだったかもしれない。
というのも自分が主体となっているプロジェクトについては残念ながら、迅速に論文としてまとめるということができてこなかった。
原因はなんだろうか。
実験をするペースが遅い。
決定的に綺麗なデータが出るような実験を組まずに、五分五分か、2割くらいとか、それ以下の実験を組むことも多かった。そのせいで失敗実験が多い。
つまり、なにかにつけ理想が高杉、自分で高すぎるハードルを設定して、それを超えられず、そのうち諦めてダラけてしまうことがあったようだ。
論文作成においても散在するデータやアイデアを掻き集めて大きな論文を出そうとしてきたが、客観的にみてどうだったろうか。
客観的にみると、観点やアプローチ(方法論)が研究社会のトピックに乗っていないので、CNSに載るのは難しかっただろう。
CNSに載るには、そういうノウハウを持った人とやらないと難しすぎるだろう。
それにすごく頑張って一回載ったからといって、それこそ、再現性がとれないし、Burn outしてしまいそうだ。
それよりかは、コンスタントに毎打席ヒットを狙ったほうが打率が上がる。
ハードルを下げて、地道にヒットを積み重ねたい。
これからは筆頭著者としてもまずは、毎年一報、できれば2年後には毎年2報出す。
どのテーマを大きく狙うか、数あるアイデアやテーマの中で、どれを大きく行くか決める。
そのためには共同研究を沢山やり、その共同研究では、簡単でできることに落とし込んで、確率を上げないといけない。今行っている共同研究では、1部ではそれができているが、中には自分で難しくしてしまっているものもある。これらは、全て簡単なことに落とし込んでクリアしないといけない。